KMC X11SLってどんなチェーン？DURA-ACE以上の軽量チェーンです

チェーンを交換する際、
シマノユーザーであれば値段の差から、
1ランク上のグレードを選定する方も多いと思います。

ですが、ちょっと待ってください。
KMCのチェーンという選択肢もあります！

KMC X11ELとX11SLは何が違うか？HG901との比較も

11s用のチェーンはshimanoの他KMCを含めると多くの商品が有り悩みの種になる事も有ると思います。そこでX11SL、X11EL、HG901、HG601について適用技術や重量、価格についてまとめてみました。

zitensha.xyz

2020.03.26

KMCのX11SLを購入しましたが、
技術詳細に付いてはあまり語られていないのでまとめてみたい思います。

そもそもKMCって？

1977年ウー・ネンミン氏が設立した台湾のチェーンメーカーです。
製品のパフォーマンス、高度な製造技術、革新的なプロセスを継続的に改善することで、40年近くにわたって安全で優れたハイエンドチェーンを提供し、常に市場の主流ドライブとの優れた互換性を維持し、市場で認められています。
以下HP中文訳

KMC | Bicycle Chain Manufacturer

World renowned and market leading chain brand , chain manufacturer and chain supplier, KMC, has been devoted to chain manufacturing for 40 years since the very ...

www.kmcchain.com

実はシマノのチェーンもKMCのOEMです。
ミッシングリンクのアイデアもKMCとのことですので、その品質と技術力は折り紙付きとも言えますね。

主要技術

HPを確認すると、アイコンから9つの特徴があるようです。
それぞれの訳（一部意訳）を記載していきます。

Super Light(超軽量）

チェーンのプレートに肉抜き加工が施工してあり、
軽量化に貢献しています。

High Rigidity（高剛性）

高剛性なチェーンにより、レスポンスが良く、
パワー伝達効率も優れます。

Highest Pin Power（最も強いピン強度）

卓越した設計によるピン強度？
でしょうか？これはちょっとよく意味が解りませんでした。
高強度なピンと言う事みたいです。

Mud shedding Design（泥を排出するデザイン）

簡単に清掃が可能な形状との事です。
肉抜き加工のとって付けのような気もしますが事実でしょう。

Hollow Pin（中空ピン）

中空ピンの採用により軽量化に貢献

Triple X Durability（3種の耐久性向上技術）

3つのKMC独自技術により、耐久性向上に貢献。
（技術詳細は不明でしたが、鍛造や、コーティング技術等のまとめみたいなものと推察）
私が購入したのは１世代前の物のようでトリプルではなくダブルでした。

Double X Bridge Shape（ダブルXブリッジ形状）

ブリッジのアウター側とインナー側にX形状を設ける事で
正確なシフトチェンジを実現
これはこのX形状がシフトチェンジの際、隣のギヤに乗り易く、または降り易くするためのものと推察します。

Outer Plate Chamfering（アウタプレートの面取り）

アウタープレート端部の面取り加工により、
正確なシフトチェンジを実現。

Inner Plate Chamfering（インナープレートの面取り）

インナープレートの面取り加工により
迅速なシフトチェンジを実現

以上の数多くの技術が採用されているようです。
これをシマノ製品と比較した場合どうなるのでしょうか？

シマノ製品（DURA-ACE）との比較

まず重量ですが、
Ｘ11SL 237g
DURA-ACE 247g

となり、ほとんど同じですが、KMCのほうが軽量となります。
（どちらも114リンク）

重量以外の面ではDURA-ACEには

シルテック

が使用されているようです。
シルテックはいわゆるフッ素コーティングの一種ですね。

SIL-TEC（シルテック） | SHIMANO BIKE COMPONENT | SHIMANO BIKE(自転車部品)-日本

人と自然、そして自転車とのより緊密な関係作りを基本方針とし、サイクリングの楽しさを世の中に広げていくための製品を作り続けてます。　自転車を通じてすべての人たちの暮らしをエンジョイさせることが私たちのミッションです。

bike.shimano.com

シマノは各製品にシルテックを適用しているとのことですが、
ワイヤー関係と、チェーン関係は異なるコーティング（技術）が使用されていることが予想されます。

チェーン関係はおそらくNi-PTFEめっきでしょう。
Ni-PTFEめっきはNiめっきにフッ素樹脂（フライパンのテフロン加工の樹脂）を分散させためっきで、
摺動性の向上が期待できます。（以下参考URL）
https://www.ebinadk.com/ptfe-nikkeru

表面処理以外のところでは、やはり肉抜き加工が大きいでしょう。
肉抜き加工により軽量化や泥がたまりにくい？のメリットがあります。

また、剛性感や伸びに対する耐久性もX11SLの方が優れているとの声も多いですし、
摺動性を優先する場合はDURA-ACE、耐久性や伝達効率を優先する場合はX11SLを選定するのがよさそうです。

気になる価格は？

定価ではかなりの差がありますが、
実売価格、重量をまとめますと以下となります。

WiggleではX11SLをかなり安価に購入出来てしまいます。
ただ、セールありきなので在庫があった場合は早めに購入するのが吉です。

今（20年3月）は次のモデルがラインナップされており
ゴールドの5198円が最安みたいです（シルバーは6980円）。

となるとDURA-ACEのチェーンでもいい気がしてきますね。

KMC X11SL

特に105からのステップUPにアルテグラチェーンの購入を検討されている方は
KMC X11SLかDURA-ACEチェーンの購入をお勧めします。
長く使う物には少しくらいはお金をかけても良いと思います。
結果的にコスパが良くなる場合が多いですので。